白鷗大学法科大学院|HAKUOH University Law School

教員メッセージ

地域社会で活躍できる真の力を養えるように。
法理論×法実務
法理論とは 教授・研究者教員メッセージ

岡田順太白鷗大学大学院 法務研究科 教授
岡田 順太
法のあり方を様々な観点から多角的に追究する「法理論」。理論に裏打ちされた法体系を理解しゆるぎない法的思考力を養ってほしい。
法の実務家が広大な大地や大海を進む探険家であるとすれば、法理論はまさに羅針盤として機能するものです。今日的には、GPSでしょうか。もちろん、法実務あっての法理論であり、法理論あっての法実務でもあります。法理論も実務と離れて存在するものではありませんので、常に既存の学説を見直し、新しい理論の可能性を追究していく必要があります。
そうしたなかで、羅針盤の性能を高めて、法実務家が迷子にならないようにしていくのが、法理論の役割といえるでしょう。
人間は、「法」を直接見ることも触ることもできません。しかし、その存在を確信しつつ、内容を探究することはできます。そのような「手探り」の営みのなかで編み出されてきた人間の叡智が様々な法理論です。六法に載っている条文や裁判所の出す判例が法の全てではありません。それらは法についての断片的な情報に過ぎず、関連する判例や法制度の由来、歴史的意義や他国との比較などを通じて、法の全体像に迫っていく作業が欠かせません。法学の研究者は、法の根源的な意味を深く追求することで、普遍的な理念や原則を導き出し、適切な方の解釈・適用を考え、また、新たな社会事象に対して対応可能な法制度のあり方を示す役割を担っています。華々しい実務の世界で見落とされがちな一隅に光を灯しつつ、社会全体を大きく変える契機となりうるのが、法理論の面白さと言えるでしょう。
皆さんが白鷗大学法科大学院に入学されて学ぶ法理論は、最も一般性の高いものであり、法律の専門家として有すべき常識に属します。授業では、条文をはじめ、判例や学説などを用いて、多角的な視点とバランス感覚に裏付けられた論理的思考を養い、ゆるぎない法的思考力を身につけられるようにしています。そうすることで、様々な法的紛争を前にして、思考的な迷路に陥ることなく、論理と証拠に基づいた法的思考を働かせることができるようになります。広大な法の世界で縦横無尽に動き回れる方向感覚を是非白鷗大学法科大学院で身につけてください。


法実務とは 教授・弁護士メッセージ

村岡 啓一白鷗大学大学院 法務研究科 教授(元弁護士)
村岡 啓一
法理論という叡智を、真の叡智にする法律実務。多様性を受け入れられる幅広さやハートも身につけてほしい。
いま、刑事司法は大きな変革期にあり、既に導入された裁判員制度や被害者参加制度に加えて、取り調べの可視化や司法取引などを新たに導入することが検討されており、質的にも量的にも従来の刑事司法とは異なる方向に大きく舵が切られようとしています。こうした司法変革の流れは刑事司法に限ったものではなく、民事司法でも進んでいますし、憲法論議も活発化しており、日本の法律は社会環境や時代の変化を受けて新たな段階を迎えていると言えます。
これらの司法改革を良い方向に向かわせる鍵を握っているのが、法律家自身の資質であり努力だと私は考えています。とりわけ弁護士が果たす役割は重要であり、それだけに弁護士は社会的な責任の重さを自覚する必要があります。白鷗大学法科大学院で私が担当する刑事実務の科目では、重大な転換期を迎えている司法において、弁護士が果たすべき社会的な責任と使命とは何かについても理解できるように指導をします。
弁護士として紛争と向き合うときに心がけてほしいことは、「紛争の当事者はあくまでも市民であり、弁護士はそのサポート役にすぎない。」という基本的なことです。つまり弁護士の役割とは、依頼者の考え方や願いを正確に把握することであり、それを実現するために法律の専門家として最大限の努力を尽くすことです。最終的には、依頼者との間に考え方のギャップがあってはならず、一つ一つ個性のある事件に、杓子定規な法理論を機械的に適用するのではなく、テーラーメイドの解決策を示す必要があるのです。特にクロス・カルチュラル・コンピテンス(文化的差異を理解する能力)が重要であり、依頼者の価値観や歩んできた人生を含めて、紛争事案の背景を認識し、依頼者にとっての最善の解決策を示すことが大切なのです。年々増加する日本在住の外国人にも目配りができる視野の広さや、多様性を理解できる力も欠かせません。
人間の考え出した叡智が法理論であれば、その叡智を真の叡智へと橋渡しするのが法律実務です。法理論と実務を融合する技術に磨きをかけるためにも、多様性を受け入れられる幅広さや人の思いを理解できるハートも身につけてほしいと願っています。


実務家教員メッセージ

河野泰義白鷗大学大学院 教授・前裁判官
河野 泰義
法理論を実務につなげる技術や書面起案などを、分かりやすく指導していきます。
裁判官時代は、民事、刑事、家事、少年事件と幅広い分野を担当しました。市民のために役立ちたいとの思いから幅広く担当するようにしましたが、多様な分野の事件を経験し、改めて思うことは法的紛争に同じ事案は無いということです。それは事件ごとに当事者が異なるからで、事件の起こった背景や事情、また同じ損害賠償事件であっても事実関係は自ずと異なってきます。法曹の役割は、こうした一つひとつ異なる事案と真摯に向き合い、法に照らして適切な判断を下すことにあります。そのためには当事者の主張をよく聞き、事実関係や証拠を確認することが必要で、法律の実務家に求められる最も基本的な姿勢だといえます。それは裁判官だけに求められるものではなく、弁護士にも、検察官にも共通することです。また、法曹実務で大切なことは、紛争の両当事者にとって真の解決策とは何かを思考することです。訴訟を起こして判決をもらうだけがすべての解決策ではなく、両当事者がよく話し合うことで和解することの方がより適切な場合が多くあります。勝ち負けをはっきりさせることで両当事者にしこりを残すよりも、両当事者の納得性が高まるからです。こうした法曹実務に通じることを学べるのが、法律実務基礎科目です。例えば、裁判手続の流れを体験できる「模擬裁判」は、単に手続の技術的なことを学べるだけでなく、当事者の主張や事実とどう向き合うか、どのような判決を下すか、和解を勧告するべきかなど、実務に通じる大切な部分を学べます。「訴訟実務の基礎」は、実務法律家の基礎をつくる科目で、さまざまな事実関係から法的に重要な事実は何かを抽出し、どのような訴えを起こせるのかを思考できる力を養うことができます。民事と刑事を問わず、法理論を実務に橋渡しする、とても重要な科目です。学ぶ上で大切なことは、当事者の身になって、事実と向き合い、妥当な解決策とは何かを導ける力を身に付けようとする姿勢です。その姿勢が、理論を実務に橋渡しする上で難しい部分を乗り越えさせてくれるはずです。理解の難しい所があれば質問に気軽に応じていますし、これまでの私の経験が皆さんの役に立てればと思っています。


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